どうも、ぱっちゃんです。
今回は「Amazon輸出の際のFBA販売の利益計算について解説!」です。
利益計算は商品を仕入れる際、販売する際に重要になってきます。ここをしっかり把握していないと、仕入れも販売もできません。
特に利益計算の項目が多く、計算も複雑になる輸出事業において、利益計算は正しくできるようにしておかなくてはいけません。
でないと、売れば売るほど赤字、という状況になる可能性もあります。
赤字にならないよう、また1円でも多くの利益を確保するためにも正しい計算ができるよう各項目について理解を深めておきましょう。
なお、今回の利益計算方法は「AmazonFBA輸出」の利益計算になります。日本からの自己配送の場合は、手数料や計算方法が変わりますので注意してください。
Contents
FBA輸出販売には11種類もの経費・手数料がかかる!
海外のAmazonでのFBA販売時には11種類もの様々な数字が出てきます。これらをきちんと理解していないと正しい利益計算ができません。

- 売価
- 原価
- カテゴリー手数料
- FBA手数料
- FBA倉庫保管料
- 国際送料
- 関税
- 為替手数料
- FBA納品先集約手数料
- 各種経費
- 固定費
一番最初の売価から残りの10項目を差し引いた残りが最終的な「利益」になります。一つずつ解説していきます。
売価
これはそのままの意味で「商品が売れた時の価格」です。手数料も何も引かれていない、純粋に「いくらで売れたか」です。
自分が商品につけた価格ですね。10ドルの商品が売れたら10ドルの売価、と単純に考えて構いません。
原価
商品を仕入れた時にかかった金額です。「その商品を仕入れて自分の手元に届くまでにかかった費用の総額」と考えてください。
そのため、この中には消費税はもちろん、通販なら送料も含まれます。
なお、確定申告をしたことがある方はご存知かと思いますが、仕入れた商品は全て仕入れ原価として計上できるわけではありません。
あくまで「その年度に売れた商品の仕入れが原価として計上できる」のです。
その年に100個仕入れて、その中の80個が売れた場合、原価計上できるのは80個分の仕入れ代のみです。
売れ残った20個は仕入れ原価計上ではなく、次年度販売するための「棚卸資産」になります。仕訳で言うと、「期首商品棚卸高」です。
確定申告書類の作成時に売れ残り商品を仕入れ経費に計上しないよう注意してください。
カテゴリー手数料
国内Amazonでもおなじみのカテゴリー別成約手数料です。国内Amazon同様カテゴリーによって利率が違います。

多くのカテゴリーでは15%ですが、ここを間違えると利益計算が大きく狂うので、必ず下記のリンクで確認しておいてください。
https://sellercentral.amazon.com/gp/help/external/help.html?itemID=200336920&
FBA手数料
商品が売れた際にFBAに支払う手数料です。FBAからお客様のところへ商品を届ける送料や、スタッフの作業料が含まれていますが、後述する保管料は別途かかります。
このFBA手数料は国内同様、納品した商品の大きさや重量によって変わります。また、随時価格改定が行われているため、いつの間にか値上がりしていることもあります。
納品前には必ずFulfillment by Amazon Revenue Calculatorで手数料を確認してください。

Fulfillment by Amazon Revenue Calculator
https://sellercentral.amazon.com/fba/profitabilitycalculator/index?lang=en_US
FBA倉庫保管料
FBA倉庫に商品を保管している間にかかる手数料です。FBA倉庫に置いている在庫水準30日間の平均で自動計算されています。
手数料の中では比較的計算のしにくい厄介な項目となります。
というのも、「その商品が売れるまでかかり続ける」手数料のため、「最終的にいくらかかるか」が把握できないのです。
このFBA保管手数料を把握するためにはざっくり「月次」で把握するようにしましょう。
保管料の月次の確認方法はセラーセントラル→Report→Payment→Transaction Viewからデータをダウンロードすることで確認できます。
「Payment Detail」の「FBA Inventory Storage Fee」という項目です。
細かい計算をしたい時には頭の痛い項目ですが、額としてはそこまで大きなものではありませんので毎月ざっくりと確認しておきましょう。
また、長期保管している商品に関しては保管料とは別に長期在庫保管料もかかります。
この辺の価格やルールもよく変わりますので、回転率の悪い商品を扱っている場合はこまめに確認しておきましょう。
国際送料
日本からAmazonFBA倉庫まで納品するための輸送料です。FBAに納品してしまえばそこからの送料はFBA手数料に含まれているのでかかりません。
この国際送料、FBA代行業者を利用していれば業者に支払う料金に含まれます。作業的にも金額的にも代行業者に任せてしまうのが一番負担が少ないでしょう。
代行業者を利用するなら現状「TNK Logistics」という業者が優秀なので是非参考にしてみてください。

https://www.tnk-logistics.com/company
関税
国内から、海外に向けて「商品」を通過させる際にかかるのがこの関税です。(個人用の荷物はかかりません)
これに関しては荷物の金額や量、国同士の協定によって大きく変わってくるので一概に金額は出せません。
また、まったく同じ商品を送ってもかかる時とかからないときがあり、これが混乱に拍車をかけます。
ただ、大規模なセラーでない限り1回で何万円も関税が掛かることはあり得ませんので、何回か送ってみて感覚的に覚えてしまうのが一番確実でしょう。
為替手数料
現地の通貨を「円」に替えて振り込んでもらう際にかかってくる手数料です。例えばアメリカのAmazonで商品を販売すると当然振り込みは海外口座にドルで入金されます。
このままでは日本国内で引き出せませんし使えません。この海外口座にあるドルを日本口座に円で振り込んでもらわなければいけません。
このドルから円に替えて振り込むときに約2%の為替手数料がかかります。海外口座によっては多少安くなるところもあるようですが、約2%と覚えておきましょう。
FBA納品先集約手数料
Amazonには「Inventory Placement Option」というFBAの送り先を一つにまとめることができるオプションが存在します。
全ての商品をまとめて1カ所に送ることができるので送料が浮きますが、このオプションを利用すると手数料が発生します。
このオプションを使用していない場合はかかりません。
各種経費
今まで解説していない、商品を仕入れて販売するまでにかかった経費、いわゆる「その他」です。
梱包に使用した段ボール、実店舗仕入れにかけたガソリン代、ラベル代やインク代といったものです。

これはセラーによって変わりますので、自分が使った経費に関しては必ず把握しておくようにしましょう。
固定費
固定費は「毎月必ずかかる経費」です。
各種経費との違いですが、各種経費はその時々でかかったりかからなかったりしますが、固定費は「何もしなくても毎月かかる経費」です。

- Amazon大口販売手数料
- Keepa(ランキング機能付与した場合)などの有料ツール
- 会計ソフト使用料
- ウイルスチェックソフト使用料
- 外注スタッフ人件費
主に月額契約しているサイトですね。この固定費はきちんと洗い出して毎月いくらかかっているのかきちんと把握しておきましょう。
必須のものがほとんどだと思いますが、もし使っていない物があればそれを解約することで毎月その分利益に変わります。
家計と一緒で固定費の見直しはものすごく節約効果が高いです。
利益計算時の注意点
利益計算時に間違えやすいポイントを解説します。
最終的な利益確定は円に替えて振り込まれた時
海外FBA輸出事業は仕入れの段階で正確な利益が絶対に出ません。なぜなら、「不確定な項目」が多々あるからです。
例えば先述した「保管手数料」。仕入れた商品がいつ売れるかなんて誰にもわかりません。そのため、この数字は常に変動します。
そして最大の変動が「為替レート」です。輸出事業の最終的な利益の確定は海外口座のドルが円になって国内口座に振り込まれた瞬間です。
ですが、この時に為替レートによって振込額が変動します。

例えば海外口座から1,000ドル振り込まれるとします。
この時1ドルの為替レートが100円だと100,000円振り込まれます。(説明がややこしくなるので為替手数料は入れていません)
しかしこれがもし1ドル90円だと90,000円しか振り込まれません。逆に1ドル110円になれば110,000円振り込まれます。
さすがに国際的な大事件が起きない限り為替レートが短期間で10円も上下することはめったにありませんが常に変動していることは覚えておいてください。
国内の仕入れ価格には消費税が含まれているので必ず還付を受けること
国内で商品を購入すると10%の消費税がかかります。
この消費税はあくまで国内の売買において適用されている制度ですので、海外輸出の際は適用外になります。つまり本来支払わなくていいものです。
ですが、国内仕入れの際に「これは海外輸出するものだから消費税を取らないでくれ」とお店に言うのも無理です。
なので、確定申告の際に必ずこの消費税の「還付」を受けましょう。これはこちらから申告しないと適用されません。
まとめ
海外FBA輸出において、利益計算というのは非常に複雑でややこしく、しかも正確な数字が出ない厄介なものです。
ですが、正確な数値が出ないとしても、ある程度の精度で利益計算ができるようにしておかなければいけません。
でないと何を基準に仕入れたらいいのか分からなくなります。
正しく理解して利益予測の精度を上げれば上げるほど誤差は小さくなり、ある程度計算通りに利益が見込めるようになります。
計算間違いをして、働けば働くほど赤字を出す、という状態にならないよう、輸出の利益に係る項目はきちんと把握しておきましょう。
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